税務トピックス
個人が株式をその発行会社に売却した場合、発行法人からみると資本の払い戻しと考えられ、資本金等に対応する部分と利益積立金額に対応する部分に分けられます。
しかし、相続又は遺贈により財産を取得して相続税を課税された人が、相続の開始があった日の翌日から相続税の申告書の提出期限の翌日以後3年を経過する日までの間に、相続税の課税の対象となった非上場株式をその発行会社に譲渡した場合においては、その人が株式の譲渡の対価として発行会社から交付を受けた金銭の額が、その発行会社の資本金等の額のうちその譲渡株式に対応する部分の金額を超えるときであっても、その超える部分の金額は配当所得とはみなされず、発行会社から交付を受ける金銭の全額が株式の譲渡所得に係る収入金額とされます。
したがって、この場合には、発行会社から交付を受ける金銭の全額が非上場株式の譲渡所得に係る収入金額となり、その収入金額から譲渡した非上場株式の取得費及び譲渡費用を控除して計算した譲渡所得金額の15%に相当する金額の所得税が課税されます。
その非上場株式を発行会社に譲渡する時までに「相続財産に係る非上場株式をその発行会社に譲渡した場合のみなし配当課税の特例に関する届出」を発行会社を経由して、発行会社の本店又は主たる事務所の所在地の所轄税務署長に提出することが必要です。 納付すべき相続税額又はその見積り額が「0円」の場合にはこの特例の適用はありません。