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災害に関する労働基準法の考え方について

東北地方太平洋沖地震により、被災地以外に所在する事業場においても、鉄道や道路等の途絶から原材料、製品等の流通に支障が生じる等の影響が出ています。又、このことから派生して、派遣労働者の雇用管理、解雇、採用内定者への対応等懸念される事項も多く、厚生労働省が賃金や解雇等の労働者の労働条件について使用者が守らなければならない事項等を定めた労働基準法の一般的な考え方等をとりまとめ、HP上で発表しました。

今回の地震に伴う経済上の理由により事業活動が縮小した場合は、雇用調整助成金及び中小企業雇用安定助成金が利用できます。「経済上の理由」の具体的な例としては、交通手段の途絶により原材料の入手や製品の搬出ができない、損壊した設備等の早期の修復が不可能である、等のほか、計画停電の実施を受けて事業活動が縮小した場合も助成対象になります。
本助成金は、労働基準法第26条に定める使用者の責めに帰すべき事由による休業に該当するか否かにかかわらず、事業主が休業についての手当を支払う場合には助成対象となり得ます。このことは、計画停電に伴う休業であっても同様です。
助成金を受給するには、休業等実施計画届を提出するなど、支給要件を満たす必要がありますので、詳細を最寄りのハローワークにお問い合わせください。

今回の地震に伴って計画停電が実施され、停電の時間中を休業とする場合、原則として労働基準法第26条に定める使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当せず、休業手当を支払わなくても労働基準法違反にならないと考えられます。

今回の震災で、事業上の施設や設備は直接的な被害を受けていなくても、取引先や鉄道・道路が被害を受け、現材料の仕入、製品の納入等が不可能になったために、事業の全部又は大部分の継続が困難になったことにより労働者を解雇しようとする場合、原則的には、労働基準法第19条及び第20条の「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」による解雇とは認められません。ただし、取引先への依存の程度、輸送経路の状況、他の代替手段の可能性、災害発生からの期間等を総合的に勘案し、事業の継続が不可能となったとする事由が真にやむを得ないものであると判断される場合には、例外的に「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」に該当すると考えられます。

なお、労働基準法上の義務については、個別事案ごとに諸事情を総合的に勘案すべきものですので、具体的なご相談等詳細については、お近くの都道府県労働局又は労働基準監督署にお問い合わせください。