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相続税対策の見直しをしましょう!

平成23年度税制改正により、相続税と贈与税が大きく変わりました。平成22年4月1日以降の相続から適用になっている小規模宅地等の課税の特例の改正も合わせますと、かなり、大規模な改正になっています。是非、この機会に相続税の試算をして、納税資金の準備等をお考え下さい。また、相続時精算課税制度を利用する際には、相続時のことまでお考えに入れてから利用することが大切です。

1.相続税の改正

(1)基礎控除の引き下げ
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数 → 3,000万円+600万円×法定相続人の数

(2)税率

現 行 改 正 案
課税財産 税率 控除額 課税財産 税率 控除額
1,000万円以下 10% 同  左
3,000万円以下 15% 50万円 同  左
5,000万円以下 20% 200万円 同  左
1億円以下 30% 700万円 同  左
3億円以下 40% 1,700万円 2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
3億円超 50% 4,700万円 6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

(3)死亡保険金の非課税限度額
500万円×法定相続人の数の「法定相続人」を、未成年者・障害者又は相続開始直前被相続人と生計を一にした者に限ることになりました。

(4)未成年者控除と障害者控除の引き上げ

未成年者控除
20歳までの1年につき6万円 → 10万円
障害者控除
85歳までの1年につき6万円 → 10万円
(特別障害者については、12万円 → 20万円)

(5)小規模宅地等の課税の特例の改正
1. 事業又は居住を継続しない宅地等は適用対象から除外される。
2. 取得者ごとに適用要件を判定する。
3. 部分ごとに按分して軽減割合を計算する。
4. 居住用80%評価減の対象は主として居住の用に供されていた一つの宅地等に限定する。

2.贈与税の改正

(1)税率
20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産の場合とそうでない場合で、税率を分けることとなりました。(下表茶色部分が20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産の場合)

現 行 改 正 案
課税財産 税率 控除額 課税財産 税率 控除額
200万円以下 10% 同 左 (同左)
300万円以下 15% 10万円 同 左 (同左)
400万円以下 20% 25万円 同 左 (15%・10万円)
600万円以下 30% 65万円 同 左 (20%・30万円)
1,000万円以下 40% 125万円 同 左 (30%・90万円)
1,000万円超 50% 225万円 1,500万円以下 45% 175万円
40% 190万円
3,000万円以下 50% 250万円
45% 265万円
4,500万円以下 55% 400万円
50% 415万円
4,500万円超 55% 400万円
55% 640万円

(2)相続時精算課税制度の適用要件変更

1.受贈者の範囲
20歳以上の推定相続人 → 20歳以上である孫を含む
2.贈与者の年齢要件
65歳以上 → 60歳以上

この制度は、贈与者が亡くなった時に、それまでの贈与財産を相続財産に加えて相続税を計算します。そのため、相続財産が基礎控除額以下の場合に大変有効な制度です。
今回の改正で基礎控除額が減少したため、この相続時精算課税制度の長所を利用できなくなった人も多いことと思います。
また、相続時精算課税制度により孫に贈与し、その後、相続税の計算を行う場合には、相続税の2割加算の適用を受けることになります。

以上より、(1)相続税の試算をして、納税資金を準備する。(2)将来値上がりが見込める物や高収益のアパートなどの物件を贈与する場合は相続時精算課税制度を利用し、それ以外は、子や孫への暦年課税贈与を税率を考慮に入れながら行うことが相続税対策として有効と考えられます。