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今まで相続税がかからなかったはずの方にも相続税がかかる可能性も…

相続税は、相続全体の4~5%にしかかからない税金でした。
そのおかげで95~96%の一般の人々は相続税を払うために土地を売ることもなく、親から子へ土地や事業が承継されてきました。

日本は昔から地方を中心に本家相続制度が根強く残っており、特に農家や商家などは代々長男が財産の多くを相続し、事業を承継してきました。
それは次男以下の子供たちに田畑等の相続財産を均分に分けてしまうと効率が悪くなるからです。
しかし、核家族化が進み、長男といえども子供が成人すると家を出て、自分で新しい仕事を探すことが多くなってきました。
親が子に生業として継がせるほどの生業が減ったことも大きい要因です。
時代の流れに乗って事業を変化させ、次世代に対応していくことは並大抵のことではありません。

さて、今年の4月1日の相続から、今まで相続税がかからなかった理由の一つである「小規模宅地の特例」の適用範囲が大幅に減りました。(税務トピックス第14回を参照して下さい。
そのため、独立して別々に暮らしている子供がこの特例の恩恵を受けるためには、次の条件が必要です。
(1)日本に住所を有するか日本国籍を有する。かつ、(2)被相続人に配偶者も同居親族もいない。かつ、(3)相続開始3年以内に日本国内にある自己又は自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがない。

相続財産がほぼ路線価の高い地域の土地のみであり、現預金が少ない場合、相続が発生すると相続税を払えないという方が増えることが予想されます。
その場合、相続税が発生しないようにするためには、次のような方策が考えられますが、どちらもかなり強引な方策に思えます。
(1)親と同居する。又は、(2)子は持ち家を所有しない。(土地は子名義でも、家屋は親名義にして家賃を払うなど)

被相続人や同一生計の親族の事業用宅地等や居住用宅地等は相続人等が事業や居住を継続しなくても200m2までその評価額の50%の減額の特例が認められていました。
しかし、今回の改正で、相続人等が相続税の申告期限まで事業や居住を継続しない土地については、その減額の特例が廃止されました。
そのため、納税資金の準備のため売却を希望する場合でも、相続発生から10か月が経過するまでは事業や居住を継続していることが特例適用の要件となります。