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婚外子差別は違憲と最高裁が判断しました

9月4日、最高裁大法廷は、裁判官全員一致で、「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1」とする民法の規定について、法の下の平等を定めた憲法に違反するという決定を下しました。
なお、この違憲決定は、既に、遺産相続が確定している場合には影響しないとしていることから、過去のケースについて、遡って争うことはできません。

以下、最高裁の決定理由の中から抜粋して紹介します。

相続制度は、被相続人の財産を誰に、どのように承継させるかを定めるものであるが、相続制度を定めるに当たっては、それぞれの国の伝統、社会事情、国民感情なども考慮されなければならない。さらに、現在の相続制度は、家族というものをどのように考えるかということと密接に関係しているのであって、その国における婚姻ないし親子関係に対する規律、国民の意識等を離れてこれを定めることはできない。これらを総合的に考慮した上で、相続制度をどのように定めるかは、立法府の合理的な裁量判断に委ねられているものというべきである。

法定相続分の定めは、法定相続分のとおりに相続が行わなければならないことを定めたものではなく、遺言による相続分の指定等がない場合などにおいて補充的に機能する規定である。民法が法律婚主義を採用している以上、法定相続分は婚姻関係にある配偶者とその子を優遇してこれを定めるが、他方、非嫡出子にも一定の法定相続分を認めてその保護を図る意図があった。

婚姻、家族の形態が著しく多様化しており、これに伴い、婚姻、家族の在り方に対する国民の意識の多様化が大きく進んだ。現在、我が国以外で嫡出子と嫡出でない子の相続分に差異を設けている国は、欧米諸国にはなく、世界的にも限られた状況にある。

世界的な状況の推移の中で、我が国における嫡出子と嫡出子でない子の区別に関する法制度も変化してきた。すなわち、住民票における世帯主との続柄の記載や戸籍における父母との続柄の記載において、嫡出子と非嫡出子が同様の扱いになった。我が国においては、非嫡出子の割合が欧米諸国と比べて極めて少ないなど、法律婚を尊重する意識は幅広く浸透しているが、家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたことは明らかである。

父母が婚姻関係になかったという、子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべきであるという考えが確立されてきている。