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役員給与の額の改定について

このたび、国税庁は、「役員給与に関するQ&A」において、業績の著しい悪化が不可避と認められる場合の役員給与の減額の例を追加しました。それは、下記のように要約できます。

ここ数年の不況の中でもなんとか経営を維持してきましたが、当期において、売上の大半を占める主要な得意先が1回目の手形の不渡りを出したため、その事情を調べたところ、得意先の経営は悪化していてその事業規模を縮小せざるを得ない状況にあることが判明し、数か月後には売り上げが激減することが避けられない状況となりました。そこで、役員給与の減額を含む経営改善計画を策定し、今月から役員給与を減額する旨を取締役会で決議しました。

現状では数値的指標が悪化しているとまでは言えないものの、役員給与の減額などの経営改善策を講じなければ、客観的な状況から今後著しく悪化することが不可避と認められる場合には業績悪化改訂事由に該当するとの見解が述べられています。

また、今後著しく悪化することが不可避と認められる場合であって、これらの経営改善策を講じたことにより、結果として著しく悪化することを予防的に回避できたときも、業績悪化改訂事由に該当するものと考えられるということです。

この例以外にも、業績悪化改訂事由に該当するものとして、たとえば、主力製品に瑕疵があることが判明して、今後、多額の損害賠償金やリコール費用の支出が避けられない場合などが挙げられています。あくまでも客観的な状況によって判断することになるため、客観的な状況がない単なる将来の見込みにより役員給与を減額した場合は、業績悪化改訂事由による減額改訂に当たらないことになります。

そのため、役員給与を減額するに当たり、会社経営上の数値的指標の著しい悪化が不可避と判断される客観的な状況としてどのような事情があったのか、経営改善策を講じなかった場合のこれらの指標を改善するために具体的にどのような計画を策定したのか、といったことを説明できるようにしておく必要があります。