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金融機関から見た会社の評価

従来の金融機関は、債務者自身の返済能力ではなく、債務を保全する担保を重視して融資を決定してきました。毎年地価が上昇していたため、担保不動産(土地)を処分すれば全額回収できる状況にありました。また、日本では、担保価値の下落による担保不足が生じた場合、その不足分についても返済を求めますが、欧米では、担保の範囲内でしか債務者の責任を問わないため、日本より担保評価を厳しく行っていました。
土地神話が崩壊し、低成長経済時代に入り、金融機関は、担保より債務者自身の返済能力を重視するようになりました。「信用格付制度」や「自己査定制度」などと呼ばれるものです。その中で、金融機関が最も重視するのが、会社の「安全性」と「返済能力」です。

(1)安全性

貸借対照表の資産・負債・資本のバランスにより判断します。
自己資本比率(自己資本/総資本)

【貸借対照表】

資産 120
 内、流動資産 60
負債 80
 内、流動負債 40
資本 40

自己資本比率=40/120=33.3%
流動比率=60/40=150%

平成22年中小企業実態基本調査(速報)による産業全体の平均値は30.6%です。業界や会社の規模により異なります。
自己資本比率を上げるためには、《1》 在庫を減らす。《2》 売掛債権を減らす。《3》 固定資産を減らす。《4》 負債を長期化する等の具体策があります。

(2)返済能力

貸借対照表の資産・負債・資本のバランスにより判断します。
流動比率(流動資産/流動負債)
平成22年中小企業実態基本調査(速報)による産業全体の平均値は149.7%です。業界や会社の規模により異なります。
流動資産とは、1年以内に現金化できる資産のことであり、流動負債とは、1年以内に支払わなければならない負債のことをいいます。流動比率が100以下ということは短期の支払能力も危ないことを示しています。流動比率の改善策は、自己資本比率の改善策に加えて、収益を向上させる方策が必要です。